井村美術館
名古屋、呉の仲良し友達を誘って、京都、井村美術館と、祇園の大渡さんでの会食をした時のお話しです。
私が砥部焼を扱い始める上で、いろいろとご指導も受けた、京都美商(株)さんの
井村美術館 http://www.kyotobisho.com/index.html
毎回拝見する美しいオールドバカラの数々。
井村さんの熱のこもる解説はとてもわかりやすい。
その中で、今回、私が目を見張ったのは、春海好みのバカラ(*^_^*)
1901年、欧州に渡航した親戚から土産としてバカラ製品を贈られた美術商、春海商店の三代目当主で、茶人でもあった春海藤次郎氏。
バカラの器のカットと金彩使いに魅了され、欧州サイズではなく、日本の座敷、茶室で懐石料理や茶事にも使えるように、自らが和食器をデザインし、1920年以降バカラ社に特注して作られたものが春海バカラだそうです。
茶人ならではの発想で、漆の椀を手本にした金縁千筋紋の汁椀や、飯椀。中国の角鉢をもとにした金縁霰切子枡鉢。
海を越えてフランスと日本の文化が融合した美の結晶”春海好み”のバカラ製の器、煌めきが目に眩く、豪華でとてもステキ。
春海藤次郎氏の想いが伝わってくるようで、なんだかロマンを感じます。
他にも、12代今右衛門の作、錦 赤玉地紋様花瓶
こんな柔らかな丸い線が描けるのは、熟練した職人さんの柔らかな手首があるから,
腕が未熟だと線が直線になるという井村代表の解説に納得。
私がとても惹かれたのは、
白磁、釈迦人物像。
やや赤みを帯びる泉山陶石(有田)の特徴を生かして作られた作品ですが、
大作や人形は焼成後の発色の不具合が多く、
発色がどの部位にどのように出るかで作品の成否が決まります。
顔にあざのような発色ができたら、作品価値が激減するため、
非常に難しい作品だそうです。
この作品は、オレンジがかった発色が腕、手、足などに出ていてとてもリアルな肌感を出しています。
作者は、有田の樋渡陶六という職人さん。
もともと愛媛県伊予郡砥部町の出身で、砥部工業学校で有田工業学校2代目校長の寺内信一さんの教えを受けたそうです。
はじめ、地元のろくろ師として働いたけれど、柔道で足を痛め、ろくろをけることができなくなったことが転機となり、彫刻の道に入り、有田の十二代柿右衛門窯で彫刻の技術を磨き、観音像や当時輸出されていた花瓶などを手がけたといいます。
美しい白磁の作品に、砥部焼を重ねました。
砥部焼を扱う私。道理で惹かれたはずです。
美しいものを鑑賞した後は、大渡さんで、今までに食べたことの無いとても美味しい鱧もいただき、
シャンパン、ワイン、日本酒、美味しいお酒を皆ですっかり飲み干し(笑)
サプライズの誕生日ケーキまでいただいて、嬉しく楽しい一日でした(^^)v