砥部焼 窯元 訪問記6、緑光窯
砥部焼 緑光窯
亀田茂樹、茂友さん
日本伝統工芸展入選常連の親子作家さん。
息子の茂友さんは大阪大学で物理学、隕石の研究をされたと言うインテリさんです。都会が合わなくて地元に帰り、親の仕事を継がれたそうです。
各工房で掘り出し物を見つけるのが好きな私ですが、
マットでありながら、少し光沢感のある白い作品を見つけました。
渦のように流れる彫りの白い文様がとても素敵です。
尋ねたら、特殊な釉薬(上薬)が使われていて、制作がとても難しくて、5つに1つしか成功しないのだそうです。
失敗するとどうなるかと言うと、写真の壺のように、小さな穴ができたり、
![](https://gallery-rin.jp/gallery-rin/wp-content/uploads/2024/01/81D5EA41-88E4-4017-861D-D5F0A75F9549_1_201_a-225x300.jpeg)
![](https://gallery-rin.jp/gallery-rin/wp-content/uploads/2024/01/BE18477B-8C3A-4032-8B5D-B708AF5F541B-225x300.jpeg)
上の写真のように、器の肌がざらざらしてしまったり、割れてしまいます。
![](https://gallery-rin.jp/gallery-rin/wp-content/uploads/2024/01/F09A5C6E-266E-4E73-8E6D-5DA208A2745A_1_201_a-249x300.jpeg)
しかも、この釉薬は、オリジナル調合で、失敗から偶然生まれたもの。
写真にある、右手前の少し青みがある壺(廃物素材を利用して
制作)の釉薬と、縦縞の椀の釉薬を間違えて混ぜてしまったら、たまたま出来上がったそうです。
壺はだいぶ昔に作ったもので、使った釉薬の記録はなくて、再度作るのに、試行錯誤を何年も繰り返しているそうです。

作家さん達と話していると、作品作りの奥深さを知ります。