山田 聡子のギャラリー凜(北名古屋市)

癒しの家具

癒されました!!!

 

当ギャラリー内に設置する陳列棚制作の打ち合わせに、知り合いの家具職人さんの工房を初めて訪問した際のことです。 線路沿いに立つ二階建ての工房。一階は事務所兼作業場で板や工具がたくさんあり、二階が作品展示スペース。様々な形の椅子やローテーブル等が並んでいました。

 

 

 

 

 

シンプルなデザインで、素朴ながらもお洒落な雰囲気の家具達。

工房がナチュラルな空気感に纏われ、なんとも言えない居心地の良さ。 私は瞬く間にその家具達の虜になってしまいました。なんて癒されることでしょう。

 

そしてそれはなぜかしら?

 

家具職人による無垢材の家具

 

工房の名前はTOKOTOWA。永く愛される家具を作りたいという願いを込めて「常永遠」という名前にしたとオーナーであり家具職人の小林さんは仰りました。

無垢材の木の質感、手触り、木目、木の色、素材の良さを生かし、シンプルだけどバランスを考えた飽きの来ないデザイン、世代を越えて愛される美しい家具作りをモットーとされています。

 

我が家の家具も結婚した頃、信頼おける大きな家具屋さんで気に入って買ったもの達ですが、我が家にある家具とTOKOTOWAさんの家具は何が違うのでしょう?

 

おそらくそれは、木の選び方、カットの仕方、形の決め方などかもしれません。 大きな家具工場では、ある程度量産する為に、クセの少ない、より良質の部材が選び抜かれ、分解して運んだり組み立て易いように、どんなお客様にも満足して喜んでいただけるように、万人向けに規格、設計されるのではないでしょうか? 

 

無垢材の長所と短所

 

一方で、無垢材を使う家具は、風合いはありますが、デメリットもあります。無垢材は傷がつきやすかったり、水に弱いためシミがついたり、経年変化で木が反る可能性もあります。 しかし、実はメンテナンスも自分でオイルを塗るだけで簡単に出来るというメリットもあります。 ( ◠‿◠ ) ウレタン塗装の場合は 塗膜が劣化したら再塗装はできませんが、自然オイル塗装は、木の呼吸を妨げないので使えば使う程、メンテナンスを繰り返すことで傷やシミも含めてどんどん風合いが増していきます。 家具を育てる楽しみが増えます。そういうことを職人さんがお客様と直接対話し、説明することが必要です。一つ一つの木が職人さんによって吟味され、使う人の用途に合わせた使い勝手や手触りが考慮されて木やデザインが選ばれ、制作されます。それがその家具の温もりとなって表れるのではないかと思いました。

 

実際、小林さんは、その仕事ぶりにもこだわりがあります。指物工房で修行され指物(※注釈参照)の技法を習得されましたが、指物師と名乗ると、型にはまり臨機応変に作業が出来なくなるため、普通の家具職人という立ち位置で仕事をされているそうです。そして、予算や諸条件を配慮して臨機応変に判断し、指物の技術で製作する方が良いと思う時は組手にし、また、時と場合によってはネジや便利な工具も使うのだそうです。

 

こうした自然素材の無垢の木の家具たちが出すオーラが温かいものになるのは当然の気がします。

TOKOTOWAさんの作品が並ぶ工房は、離れがたい、とても癒される空間でした。

 

これから家具を買う方へおススメ

 

これから家具を買い揃える若い人達には、少し高価でも、自分の感性と合う家具職人さんが作った無垢材の家具をおすすめしたいと思いました。時代を経て使うことができる家具。家族と一緒に、家族に合わせて育つ家具。 家族の思い出も増えるでしょう。

 

ギャラリーが完成したら、近い将来、TOKOTOWAさんの木の作品の展示会やろうかな。 小さなギャラリーだから椅子くらいしか展示できませんが、、、、、。

 

でも、作り手さんが悲鳴上げるかも!

「ボク一人、身一つだからそんなにたくさん作れません」って。

 

なにはともあれ、先ずはギャラリーのディスプレイ棚の出来上がりが楽しみです。

 

 

※「指物」(さしもの)

平安時代から続く日本の木工に於ける伝統技法。美しい木目を生かし、金釘を使わず、組み手や継ぎ手が外側から見えないよう“ほぞ”を切り組み合わせるなど、見えない部分で細工して制作する。指物の名の由来は、木と木を組むことを「指す」というからとも、「物さし」を用いて細工するからともいわれています。武家生活で使われる棚、箪笥、机などの調度品や茶の湯の箱物で需要が増え、江戸時代に技術が発展した。指物を作る人を指物師という。

 

 

陶磁器を中心に日本の伝統工芸を扱う|山田 聡子のギャラリー凜

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