韓国務安郡 呉承雨美術館 Oh Seung Woo Museum in Muang , Korea
私がその作品に魅了されている画家。
二年前に、韓国の全羅南道、務安郡呉承雨美術館を初めて訪れた時、出逢った
韓国画壇の巨匠、呉承雨(オ スン ウ)の作品。
明るくて、躍動感溢れる絵。
動物たちが描かれた絵は、まるで桃源郷の世界。
その絵に魅了されてしまい、
帰宅後ネットでいろいろと調べましたが、情報がありません。
もっと画家さんのことが知りたくて、今回再度美術館へ作品を鑑賞しに行きました。
留学して西洋画を学んだ、韓国印象派の生みの親で、光と色彩の画家、西洋画家の第一人者オ ジ ホ(O JI HO)を父に持つ画家。その息子も絵画の世界で活躍しているそう。
三世代にわたって画壇で活躍する、いわば、韓国における西洋画壇のサラブレッド一家。
オ スン ウは、10年周期でテーマを絞って絵を描いているそうです。
1950年代は民族的画風。
1960年代は少女とお花の幽玄的世界。
1980年代は韓国の130の名山。
1990年代は古い伝統的建物。
2000年代は鶴、亀、鹿といった長寿の動物、伝説的動物。
下の絵は、1980年代の山の絵。
山が今にも動き出しそうな気迫。
オ スン ウは、父の オ ジ ホと同じ油彩のスタイルですが、
観念的に描き、自由な空間的配置をしているのが大きな特徴。
例えば、下の絵は、亀を上に描いています。
西洋画でありながら、東洋的な思想を持っているのです。
(それが私の好みとマッチしているのかもしれません。)
鶴、亀、鹿から出る気(オーラ)、時には建物のオーラまで描かれています。
明るい色彩が多く、鹿などの動物が、楽しそうに踊っている躍動感溢れる絵は、まるで桃源郷の世界。
私は特にこの動物たちが描かれた明るい作風の2000年代の絵が大好きです。
今回展示作品には少ないけれど、鶴や亀や鹿が気を口から出していたりして、
健康的なエネルギーを感じます。
一枚、一枚の絵に画家の魂が込められている気がします。
オ スン ウは失明の危機にさらされ、七度の手術をされているという話もあります。
いつか オ スン ウ 画伯に会ってお話しを聴いてみたい。
どなたか、この画伯のことをご存知の方がいらしたら、教えていただきたいです。