ボッティチェリ展(4月3日迄)
上野公園内の東京都美術館で開催中のボッティチェリ展。(4月3日迄)
カラヴァッジョ展と同様、日伊国交樹立150周年記念の開催。
20点以上のボッティチェリの作品と、彼の師、フィリッポ・リッピやリッピの子供であり、ボッティチェリの弟子でもあったフィリッピーノ・リッピの作品なども展示されていました。
サンドロ・ボッティチェリ(1444/45-1510)の生きた15世紀は初期ルネサンス(イタリアで起こった、古代ギリシア・ローマの学問・知識の復興を目指す文化運動)の時代です。
教会に支配されていた重苦しい時代が終わり、都市、商業の発展に伴い、人々は人間性の解放に意識が高まり、その風潮の中で、古典古代の時代こそ人間性が肯定されていた理想の時代であるという再評価が始まりました。
それが、ルネッサンスだと言います。
そういう時代に、ボッティチェリは、皮なめし工の息子として生まれ、10代の後半にフィリッポ・リッピの工房で絵の修業を開始。
リッピの死後、独立。 当時のフィレンツエはメディチ家のロレンツオ豪華王の時代を迎え、花の都として、大いに栄えていた時代。 ボッティチェリは1475年頃、30歳の頃に描いた作品「東方三博士の礼拝」(聖母マリアがベツレヘムの厩でイエスを産み、ペルシャから三人の博士が土産物を持って祝福をしに来たという聖書の一場面を描いたもの)がメディチ家に高く評価され、画家としての地位を不動なものにしたそうです。
ボッティチェリの作品は、華やかな時代の影響を受けて、青、緑、赤等々、豊かな色彩で、美しい聖母、神話の女神などが描かれていました。
多くが板に描かれていましたが、きっとキャンバスに描くよりずっと難しかったのではないでしょうか。