秀衡塗@平泉
岩手県平泉に出かけた際、秀衡塗に出会いました。
尾張徳川家も好んだような、赤と黒と金(黄)の豪華な器です。
平安時代末期に陸奥国、平泉で100年栄えた奥州藤原氏。
秀衡塗は、第3代当主、藤原秀衡が京都から漆職人を招いて、地元岩手県で取れる漆と金をふんだんに使って、器を作らせたのが始まりだそうです。800年以上の歴史を持つこの伝統的工芸品の特徴は、丈夫な漆と意匠が優れていることです。漆で源氏雲を描き、菱形と短冊形に切った金箔を貼り付け、(この菱形は有職菱紋と言われます。)余白には、【子孫繁栄・豊作】の願いを込めた縁起の良い草花や果実が描かれているのが特徴です。奥州藤原氏の栄華を今に伝える豪華な伝統的工芸品だと思います。
地元の老舗、翁知屋さんにて、器を買い求めました。翁知屋さんの栃ぐいのみは平成28年伊勢志摩サミット贈呈品にも使われたそうです。翁知屋さんは、もともと秀衡塗発祥の地、衣川村で漆業に携わっていたそうで、器の裏側には「衣」と書かれています。
品の良い、典型的な岩手美人というイメージの奥様がお店の周囲に漆の木があると言って、漆が垂れているのを見せに案内してくださりました。
漆の木を拝見するのは初めてで、嬉しかったです。
土地の歴史を伝える秀衡塗、実に重みがある伝統的工芸品ですね。