夏は有松絞の浴衣
夏は地元愛知県の世界に誇る伝統工芸、有松絞の浴衣をオススメしたいです。
有松絞りの歴史は400年くらい前に遡ります。
1610年(慶長15年)名古屋城築城の際、九州豊後(大分県)の人々が持っていた絞り染めの手ぬぐいを見た竹田庄九郎がその製法のヒントを得て生産が始まったと言われています。
参勤交代など、東海道を往来する諸大名、旅客が有松近くの鳴海宿で国元への土産として反物や手ぬぐいを買い求め、有松が有名になりました。
絞り染めとは、他の染色法のように糊や蝋などを用いて防染するのではなく、布を糸で括って染料につけ、防染するものです。つまり、生地にシワやヒダを寄せ、その部分を糸で絞って染液につけ、取り出してシワやヒダを伸ばすと、その部分だけが染まらずに模様となって残る染色方法です。生地をつまんで糸を巻いたり、ヒダを取って糸で縫ったり、棒に布を巻きつけてその布を押し縮めたり、絞りの仕方(シワやヒダの寄せ方)一つで柄やデザインが変わります。
紀元前、世界各国でほぼ自然発生的に誕生したと言われる絞り染め。
日本では、日本書紀にも記載されています。技法は世界中に約100種あると言われ、そのうち90%は日本で発達しました。
インドやインドネシア、南アメリカ、アフリカなどでは古来より盛んに染められてきましたが、日本のように精緻で、複雑な模様を作りだす例は珍しいです。例えば、総鹿の子絞りの振袖は、絞りの粒数が約20万粒もあります。一粒一粒手で括り上げるのは、手先が器用で、根気強い日本人ならではの至芸の技。
とりわけ有松絞りは、開祖の竹田庄九郎翁以来、他の産地を圧倒する数多くの新技法を開発し続け、染織工芸文化の華ともいうべき華麗な衣裳美を咲かせてきました。
竹田庄九郎翁以来、伝統ある技術を守る竹田嘉兵衛商店さんから直接仕入れた有松絞の浴衣を
大切なお客様のために、
コーディネートさせていただきました。(^^)
麻の半幅帯は締めやすく、
緑とオフホワイトのリバーシブルで
どちらの色でも締めていただけます。
今回はちょっとシックに緑にしました。
20歳位の娘さんがいらっしゃるそうなので、
娘さんがお召しになる時はオフホワイトでも若々しくて可愛いと思います。
半幅帯でも、帯締を合わせてお出かけに(^^)
こちらは、
博多織の八寸名古屋帯とコーディネイトしました。
絞りの浴衣は、伝統工芸士 突き出し鹿の子絞りの 中島鈴江さん(勲六等瑞宝章)の貴重な作品です。