文様:伝統と革新

300有余年の歴史を持つ藤林家。その織物には伝統ある格式高い文様が使われていると同時に、斬新な現代感覚のデザインも創作されております。

伝統的な文様

吉祥文様は古来中国の神仙思想(古代中国において、不老長寿の人間(仙人)の実在を信じて仙人たらんことを願った思想)に結びついて生まれたものです。日本には平安時代に伝わりました。

吉祥は慶ばしい兆しであり、吉祥文様の代表的なものとして鳳凰や龍が慶事の儀式に用いられ、「延命長寿」の祝いのシンボルとして松竹梅、鶴亀などがあります。特に江戸時代には、鶴亀と松竹梅は吉祥模様の代表的な意匠となり流行しました。ここではその一部をご紹介させていただきます。

七宝鳳柄

七宝鳳柄

円周を円弧によって四等分した文様です。七宝は仏教で七種の金属、宝石を称したところから貴金属、宝石類の多彩な装飾の形容として用いられました。宝尽くしの文様に加えられております。中に描かれている鳳凰は、古代中国発祥の伝説上の生き物で、鳳が雄鳥で凰が雌鳥です。龍、麒麟、亀を加え、四瑞と呼ばれる瑞獣です。

立涌文様

立涌文様
縦に涌きたつような向かい合った二本の線が左右膨張と収縮を繰り返し、重なることのない曲線。その間にできた瓢箪型の無限の宇宙を内包するような空間に様々な文様を詰めて意匠を作ります。「立涌(たちわき/たてわく)」という名の由来は、水や雲などが水蒸気となってむくむくと「たちわく」さまに見立てて名づけられました。写真の織物では瓢箪型の空間に雲の文様が配されています。「立涌文様」は有職文様として平安時代に用いられた格調高い文様です。親王や関白など公家装束の着物の織文に用いられました。現在でも伝統模様として訪問着などに用いられております。

 網目菊文様

網目菊文様

網目文は漁などに用いる網の網目を意匠化したもので、近世になって用いられます。糸と糸に囲まれた部分やそのかたちが連続して網の状態になったさまはリズム感のある美しさで、能装束の豪華な縫箔や小紋に愛用されました。菊は長寿延命の象徴として代表的な植物で、菊花の文様は(めでたいことが起きる)文とされ、正倉院にもみられます。

武田菱文様

武田菱文様

武田氏の家紋は「四つ割菱」で、「武田菱」として知られています。

現代のデザイン

コスモフラワー

コスモフラワー

コスモフラワーは、12代藤林徳扇の絵にもなっている、世界の平和を祈ってデザインされた「コスモクロス」を基に創作されたものです。未来永劫に輝きを放ち咲き続ける、宇宙に咲く花をイメージして宝石箔を織り込んだ独自のものです。

着物の新感覚デザイン

バラ

バラ

双鶴

双鶴